農業土木学会論文集
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山地渓流におけるCPUEと河川形態に関する研究
東北地方早田川における事例
渡辺 一哉大久保 博前川 勝朗
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2002 年 2002 巻 217 号 p. 49-54

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抄録

月ごとに計12回の調査を行い, 単位努力量あたり漁獲量=CPUE (Catch Per Unit Effort) を用いてヤマメ・イワナに対する釣りによる圧力について検討したCPUEは一時間あたりの採捕数および総全長 (=Σ (個体の全長)) として算定した.調査区間1.6kmでの水面積の比率は, 早瀬・平瀬・ステップ・淵の順に低くなっていた.ポイントの平均密度は, 平瀬が他に比べて2~3倍高く, 淵が最も低い値であった.12回の調査の平均CPUEは, 水温が15度以上になる夏期には低く, 春と秋に高くなる傾向を示した.平瀬ではCPUEは低く (25cm/h), 淵では高く (97cm/h) なった, 淵と早瀬は漁獲数・量ともに全体の約80%を占め, 平均型 (16~20cm) への圧力が高く, 平瀬・ステップは相対的に小型 (16cm以下) への圧力が高い傾向が見られた、河川形態毎にポイントの特徴や渓流魚に対する釣りによる圧力の特徴が明らかになり, 渓流域での釣りの圧力の軽減策を考える際の重要な知見を得ることができた.

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© 社団法人 農業農村工学会
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