地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
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野島地震断層掘削コア(GSJおよびNIED)に見られる断層岩の産状
田中 秀実, 池田 隆司, 伊藤 久男, 新井 崇史, 大谷 具幸, 小村 健太朗, 小林 健太, 佐野 広征, 澤ロ 隆, 富田 倫明, 冨田 直人, 樋ロ 孝幸, 平野 聡, 藤本 光一郎, 松田 達生, 山崎 暁子
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1998 年 104 巻 6 号 p. XIII-XVI

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抄録

1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震(M7,2)に伴い, 震央の南西側にあたる淡路島北西海岸沿いに走る野島断層に沿って, 延長10km以上にわたる地表地震断層が現われた, 通商産業省工業技術院地質調査所(GSJ)および科学技術庁防災科学技術研究所(NIED)は, 野島平林において野島断層の深部掘削を実施し, 1996年, GSJは地下625mにおいて(伊藤ほか, 1996), NIEDは地下1140m以深の複数の深度において, 地震直後の活断層を貫通したコアを回収することに世界で初めて成功した. ここでは, 両機関のコアに認められる断層岩の産状を紹介する. 今回紹介するコアに見られる断層破砕帯では, まったく風化を受けていない, 地震直後の断層破砕岩の完全な連続性が保存されている. これらの解析を通して, 浅部断層破砕帯の物質分布および物質移動様式の理解が著しく進むことが期待される.

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