2011 年 67 巻 2 号 p. I_155-I_160
東日本大震災では,死者,行方不明者を合わせると犠牲者は約2万人となった.本論文では,災害復旧工事で,さらなる犠牲者を出さないために,阪神・淡路大震災,新潟県中越地震,新潟県中越沖地震及び東日本大震災における災害復旧工事において多くの災害が発生した(している)ことを踏まえ,これらの災害の特徴を概観するとともに災害復旧工事の労働安全衛生上の問題点と対策について検討した.災害復旧工事において異常時ということから安全衛生対策がおろそかになっている場合は,出来る限り早期に通常時と同等な安全衛生対策を講じる体制に戻すことが肝要であることなどを指摘した.