日本口蓋裂学会雑誌
Online ISSN : 2186-5701
Print ISSN : 0386-5185
ISSN-L : 0386-5185
統計
新潟大学医歯学総合病院矯正歯科診療室における30年間(1979~2008)の口唇裂・口蓋裂患者動向調査
竹山 雅規朝日藤 寿一金山 潔大石 めぐみ小原 彰浩小野 和宏齊藤 力高木 律男齋藤 功
著者情報
ジャーナル 認証あり

2011 年 36 巻 3 号 p. 183-190

詳細
抄録

新潟大学医歯学総合病院矯正歯科診療室を受診した口唇裂・口蓋裂患者の実態を把握する目的で,1979~2008年度の 30年間における当診療室初診患者を対象として動向調査を行い,以下の結果を得た。
1.男性602名(52.9%),女性537名(47.1%)で男性の割合がやや高かった。
2.裂型別比率は,唇顎口蓋裂51.5%,口蓋裂23.8%,唇顎裂 19.1%,口唇裂5.4%,その他0.2%であった。側性別では唇顎口蓋裂,唇顎裂,口唇裂のいずれも左側が多かった。唇顎口蓋裂,唇顎裂,口唇裂では男性の割合が高く,口蓋裂では女性が多かった。
3.年度別の来院数には多少の増減を認めたが,一定の傾向は認められなかった。
4.初診時年齢は4歳が最多で,4歳から6歳までの患者が過半数を占めていた。
5.当病院歯科専門各科からの紹介が来院患者の過半数を占め,そのうち92.6%が口腔外科からの紹介であった。
6.患者の居住地域は新潟県が大多数を占めていた。
7.1979~2001年に出生した新潟県内における口唇裂・口蓋裂患者の多くが当診療室を受診していた。

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本口蓋裂学会
前の記事 次の記事
feedback
Top