皮膚の科学
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症例
皮膚潰瘍が多発した抗 CADM-140抗体陽性の皮膚筋炎の1例
加藤 佐代子今井 慎伊藤 令子小西 啓介中嶋 蘭湯川 尚一郎石川 聖子三森 経世西尾 直子荻野 篤彦
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2011 年 10 巻 3 号 p. 214-219

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抄録

41歳,女性。上眼瞼に腫脹と紅斑が初発し,次第に手掌や頬部,体幹に紅斑が出現した。皮膚症状および皮膚生検の結果は皮膚筋炎に矛盾しなかった。しかし筋症状を認めず,血液検査では筋原性酵素値が正常範囲内で抗 Jo-1 抗体が陰性であり,clinically amyopathic dermatomyositis (CADM) と考えた。その後,そう痒感が増強し,皮膚潰瘍が出現してさらに筋原性酵素値の上昇を認め,軽度の間質性肺炎を認めた。抗 CADM-140 抗体が陽性と判明し,ステロイド剤やシクロスポリン,シクロホスファミドの併用療法をおこなったところ皮疹は軽快し,上昇していた筋原性酵素値も改善した。また間質性肺炎の増悪は認めず改善した。(皮膚の科学,10: 214-219, 2011)

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© 2011 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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