日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
ERCP後重症急性膵炎による下部胆管狭窄に対して, 一時的なEndosonography-guided biliary drainageを施行した1例
衣笠 秀明河本 博文野間 康宏園山 隆之堤 康一郎藤井 雅邦栗原 直子加藤 博也岡田 裕之山本 和秀
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2012 年 54 巻 2 号 p. 281-287

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抄録

症例は37歳の男性.前医で重症急性膵炎を加療された後,感染性膵周囲膿瘍の治療目的で当院へ搬送された.感染性膵周囲膿瘍に対して経皮的ドレナージ,経胃的ドレナージにより約2年の経過で改善が得られたものの,経過中(膵炎発症426日目),重症急性膵炎の影響による胆道狭窄で黄疸が生じた.しかし,末梢胆管拡張は乏しく炎症による十二指腸狭窄も併発し,経皮経肝胆道ドレナージ術(PTBD)も内視鏡的経乳頭胆道ドレナージ術(EBD)も困難なため,超音波内視鏡下胆道ドレナージ(ESBD)を施行した.膵炎発症874日目,炎症消失に伴い,ステント抜去が可能となった.今後ESBDのさらなる適応拡大の可能性が示唆された.

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© 2012 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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