土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.28
長周期地震動による震源遠隔地での波の発生
大平 幸一郎柴山 知也
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2012 年 68 巻 2 号 p. I_55-I_59

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抄録

 本研究では,地震発生の際に長周期地震動により発生する遠隔地での高波に注目し,その発生メカニズムを検討する.2011年3月11日に東北地方太平洋沖でモーメントマグニチュードMw9.0の地震が発生した際,震源より約470km離れた西湖(最大水深73.2m,面積2.12km2)において,波高約1mの波が観測された.本研究では西湖で発生した波浪現象を,現地調査と数値計算を用いて再現した.さらに今後30年以内に70%の確率で発生すると予測されている東南海地震と東海地震の想定に同じ計算モデルを適用し,震源より離れた東京湾での長周期地震動により発生する波の予測を行った.その結果,波が不規則に発生することが分かった.地震が発生した際に,津波とともに注意すべき現象の一つとして,長周期地震動により発生する波を指摘した.

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© 2012 公益社団法人 土木学会
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