土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.28
北太平洋における有義波高の中長期変動と気候変動指数の関係
嶋田 陽一高橋 桂子塩谷 茂明
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 68 巻 2 号 p. I_971-I_976

詳細
抄録

 北太平洋の航海に関する中長期の波浪状態を総観的に把握するために,代表的な気候変動指数である北太平洋指数を用いて有義波高の中長期変動を調べた. NPI海域(北緯30度から45度,東経160度から西経140度)の付近の海域おいて,全データ期間中の有義波高とNPIの相関が著しく高い.NPI海域において領域平均した有義波高とNPIの相関も著しく高い.冬季では北西部を除いたNPI海域付近で相関が高い.春季では北太平洋全域で相関が低い.夏季ではNPI海域の北半分及びアリューシャン列島からカナダ沖合にかけて相関が高い.秋季ではNPI海域付近及び日本の東沖合で相関が高い.NPI海域の周辺で区分した海域において領域平均した有義波高とNPIの相関は,春季では低く,秋季では高い傾向を示すが,冬季及び夏季では各海域でばらつきが大きい.

著者関連情報
© 2012 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top