日本健康教育学会誌
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eヘルスリテラシーの概念整理と関連研究の動向
光武 誠吾柴田 愛石井 香織岡 浩一朗
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2012 年 20 巻 3 号 p. 221-232

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抄録

目的:インターネット上の健康情報を適切に活用する能力であるeヘルスリテラシーを対象とした研究を概観することで,先行研究で用いられているeヘルスリテラシーの概念を明らかにし,eヘルスリテラシーを対象とした研究課題を特定すること.
方法:キーワードを英語“eHealth literacy”と“e-Health literacy”,“e-literacy”,“eHEALS”,“Health Literacy”& “Internet”とし,日本語「eヘルスリテラシー」,「eHEALS」,「ヘルスリテラシー ANDインターネット」とした.MedlineとCINAHL,ERIC,医中誌で文献を検索し,161件を得た.
結果:採択基準を満たした18件のうち12件でLilyモデルに基づくeヘルスリテラシーの概念が引用されていた.12件のうちeヘルスリテラシーを主な研究対象としていた論文は9件あり,概念の提唱に関した論文が1件,評価尺度に関した論文が3件,実践的研究に関した論文が5件だった.
結論:多くの先行研究はeヘルスリテラシーをLily モデルに基づく概念で用いていた.今後の研究課題はLilyモデルにインターネット上で相互に情報交流ができる概念であるWeb 2.0を扱う能力も考慮したeヘルスリテラシーの概念となるように改良し,適切な尺度を用いて多様な属性における研究の蓄積が求められる.

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© 2012 日本健康教育学会
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