心臓
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第22回 心臓性急死研究会
遠隔モニタリングで早期に確認できた, 無症候性致死性イベントの経験
西井 伸洋永瀬 聡中村 一文幡 芳樹河野 晋久森田 宏草野 研吾伊藤 浩
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2010 年 42 巻 SUPPL.2 号 p. S2_147-S2_151

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抄録

症例は80歳, 女性. 平成20年6月下腿浮腫, 労作時呼吸苦, 多源性期外収縮, 非持続性心室頻拍を認め, 精査加療目的にて入院となった. 精査の結果, 不整脈源性右室心筋症と診断され, 植え込み型除細動器(ICD)植え込み術を施行し退院となった. 2009 年2月16日からリモートモニタリングを導入され, 順調にデータは送信されてきていた. 2009年3月18日早朝, 心室頻拍に対し抗頻拍ペーシングが作動し, 心室細動となった. ICD shock治療が行われたが心室細動は停止せず, 4回目のICD shockにてようやく停止した. 本人は眠っておりまったく無症状であったが, 中継機器にデータが送信され, 当科のホットライン携帯に緊急メールが発信された. 今回のイベントは, 睡眠中であったため本人の自覚症状が全くなく, 本来であれば定期受診まで判明しなかったが, リモートモニタリングにより, 非常に早期に診断, 治療が行われた症例と考えられた.

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© 2010 公益財団法人 日本心臓財団
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