心臓
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第22回 心臓性急死研究会
多発外傷を契機に発症したと考えられる左冠動脈主幹部急性心筋梗塞の1例
和田 匡史渡邊 敦之井原 弘貴池田 昌絵戸田 洋伸山中 俊明橋本 克史寺坂 律子中濱 一山田 信行
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2010 年 42 巻 SUPPL.2 号 p. S2_173-S2_179

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抄録

症例は51歳, 女性. うつ病に対して抗精神薬を5剤内服し治療中であった. 2009年6月21日, 2階のベランダから転落後の状況を発見されて前医に救急搬送となった. 画像検索で骨盤・眼窩底・上顎骨骨折が判明し骨盤骨折に対して緊急手術の予定となったものの, 術前心電図で著明なST変化を認め当院紹介搬送された. 当院来院時はショック状態で, 心電図・心エコー所見から急性心筋梗塞の疑いで緊急冠動脈造影を施行した. 造影の結果, 左冠動脈主幹部で完全閉塞しており, 外傷後ではあったが救命目的に引き続きIABP挿入下にPCIを行った. 左冠動脈主幹部入口部から大量血栓を認め, 冠血流改善に難渋した. 主幹部入口部に残存する解離様陰影に対してBMSを留置し, PCI終了とした.
文献上では胸部外傷後に急性心筋梗塞を発症することが報告されているが, 本症例のように多発外傷後に左冠動脈主幹部閉塞をきたした症例は非常に稀である. 外傷による冠損傷・血栓形成の機序についての考察を交えて報告する.

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© 2010 公益財団法人 日本心臓財団
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