心臓
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第20回 体表心臓微小電位研究会
陳旧性心筋梗塞における重症心室性不整脈のリスク評価
ウェーブレット解析を用いた検討
淀川 顕司小原 俊彦村田 広茂高山 英男加藤 貴雄水野 杏一
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2011 年 43 巻 SUPPL.1 号 p. S1_27

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抄録

[背景] 虚血性心疾患において, VTやVFの予知のため, さまざまなリスク評価法が検討されている.
[目的] 陳旧性心筋梗塞における致死性不整脈リスク評価としてのウェーブレット解析法の有用性を検討.
[対象と方法] 健常50例, 虚血性心疾患患者50例(頻脈性心室性不整脈のない患者; VA(−)群25例, VTの既往のある13例, VFからの蘇生例12例). 全例で心電図Z誘導QRS波をガボール関数を用いてウェーブレット変換し, 各周波数帯でのピークのパワー値を比較.
[結果] SVT/VF群では150Hzを中心に高周波成分が著明に発達, ピークのパワー値(p150)はVA(−)群に比し有意に大. p150>300をカットオフ値とするとSVT/VF群の同定における感度は96%, 特異度は55.6%であった.
[結論] ウェーブレット解析による心電図QRS内高周波成分は, 重症心室性不整脈の予知指標となりうる可能性が示唆された.

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© 2011 公益財団法人 日本心臓財団
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