抄録
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の約20%は血漿交換抵抗性であり,そのような症例に対して,rituximabが有効であるとの報告が増加している。しかし,その適応基準や開始のタイミングはまだ定まっていない。私たちの施設では3例のTTPにrituximabの投与を行ったが,1例目は晩期投与で後遺症が残り,2例目は効果発現前に死亡し,3例目は早期投与にて完全回復した。このことからはrituximabの早期投与が望まれるが,その至適投与方法を確立していくためには,多くの症例を集積して検討する必要があると思われる。