2012 年 22 巻 3 号 p. 323-326
2005年1月から2011年12月までの7年間に喉頭癌に対し一次治療として根治手術を行った53症例を検討対象とした。男性44例,女性9例,年齢は46歳~87歳(中央値70歳),観察期間は4~80か月(中央値24か月),声門上癌36例,声門癌15例,声門下癌2例であった。潜在リンパ節転移率は声門癌N0で6.7%,声門上癌N0で30%,声門上癌N1,N2bの対側頸部で20%であった。予防的頸部廓清術は声門癌N0には不要で声門上癌N0には適応があると考えられた。N1,N2bの対側頸部の頸部郭清術の適応は今後の検討課題と考えられた。郭清範囲は患側のLevel II~IIIで充分な可能性が示唆された。