生理心理学と精神生理学
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エラー関連陰性電位-行動モニタリングとしての機能的意義-
正木 宏明William J. Gehring高澤 則美山崎 勝男
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2004 年 22 巻 1 号 p. 3-18

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抄録

エラー関連陰性電位 (error-relatednegativity : ERN) は, 前部帯状皮質の行動モニタリング処理を反映した事象関連電位であり, 近年ERNに対する関心が高まっている.本稿では, 行動モニタリングの点からERNに反映される機能的意義について議論する.まずERNの諸特徴として, 形態的特徴, 課題, 発現モデル, 注意との関連, 連続型エラーとの関連などを紹介する.また, 外的フィードバック信号によって惹起されるERNについて, 運動反応との独立性および負の情動との関係から議論する.本稿では「エラー検出対コンフリクト検出論争」を中心に取り上げ, 最近の知見を踏まえながら論じる.両理論ともに, 自らの立場を支持する知見を示しており, 当該論争は未だ解決をみていない.解決困難の理由のひとつに, エラー検出とコンフリクト検出が概念上どのように区別されるかについて, 両理論が十分示してこなかったことがある.最後に, 最新の知見を紹介し, 今後の研究を展望する

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© 日本生理心理学会
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