1993 年 66 巻 8 号 p. 449-460
液中乾燥法によって吸水性ポリマーであるポリアクリル酸ナトリウムを芯物質としたマイクロカプセルを調製した。カプセル壁物質としてポリスチレンを採用し, ここに顔料を分散させた。1次乳化 (W/O分散) 系調製時に, 高速かくはんによりマイクロカプセルの微小化と, アクリル酸ナトリウムモノマーの予備塊状重合を実施することにより, 芯物質含有率の向上を, それぞれ図った。
実験では, 顔料添加濃度, モノマーの重合率, 油相中のポリスチレン濃度, 1次乳化時のかくはん速度, 等の操作条件が段階的に変えられた。
このような操作条件がマイクロカプセルの粒径分布, 平均粒径, 芯物質の含有率, 吸水速度, 飽和吸水量, 等のマイクロカプセルの諸特性に及ぼす影響について検討した。
さらに, マイクロカプセルの電子顕微鏡による観察を行った。