色材協会誌
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炭化ケイ素を分散させた吸水性ポリマー含有マイクロカプセルの調製
田中 真人佐藤 秀樹木村 勇雄斎藤 夏風
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1994 年 67 巻 5 号 p. 300-311

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抄録

吸水性ポリマーであるポリアクリル酸ナトリウムを芯物質とし, カプセルに熱伝導性を付与するために, 炭化ケイ素 (SiC) 微粉末を分散させたマイクロカプセルの調製を試みた。マイクロカプセルは, 壁物質としてポリスチレンを採用して, 液中乾燥法によって調製された。また, SiC粉末は, あらかじめシランカップリング剤により種々の度合い表面処理された。
実験では, SiCの表面処理の度合い, 油相中のポリスチレン濃度, SiC添加量, SiC粒度, 等の操作条件が段階的に変えられた。
このような操作条件が, マイクロカプセルの諸特性 (平均粒径, 吸水性ポリマー含有率, SiC含有率, 吸水量, 吸水率, 熱伝導特性) に及ぼす影響を検討した。
さらに, マイクロカプセルを電子顕微鏡 (SEM) によって観察すると同時に, マイクロカプセル内部のSiCの分布状態を電子線マイクロアナライザー (EPMA) によって分析した。
SiC粉末の分散状態は, 処理条件に依存して異なった。また, 生成したマイクロカプセルは蓄熱媒体として作用することが分かった。

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