2009 年 30 巻 3 号 p. 222-226
Townes-Brocks 症候群(TBS)は,1972年に Townes PL と Brocks ER が初めて報告した,手指,鎖肛などの多彩な外表奇形に加えて,外耳道閉鎖症をはじめとした各種の耳形態異常を伴う常染色体優性遺伝の奇形症候群である。今回我々は,内耳形態異常による高度難聴を伴った TBS の 1 例に対して人工内耳埋め込み術を行ったので報告する。
症例は,外耳,内耳の高度形態異常を伴っていたが,医療用画像診断システムを用いた解析により人工内耳埋め込み術の適応決定,及び術前のプランニングを行うことが可能であった。