胆道
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胆嚢癌との鑑別が超音波画像上困難であったコレステロールポリープの1例
金子 和弘白井 良夫若井 俊文横山 直行坂田 純畠山 勝義
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2005 年 19 巻 4 号 p. 511-515

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抄録

胆嚢癌との鑑別が超音波画像上困難であった, 胆嚢コンスデロールポリープ(以下, CP)の1症例を経験した. 症例は62歳, 男性, 人間ドックで胆嚢に隆起性病変を指摘された 腹部超音波検査で, 胆嚢頸部にやや高エコーの表面不整な広基性隆起性病変(33×18mm)を認めた. 単純CTで病変は描出されず, 造影CTでは濃染する壁肥厚として描出された. 胆嚢癌(疑診)の診断で胆嚢全層切除術を施行した. 切除標本では, 胆嚢頸部に最大径6mmまでの多数のCPが35×35mmの範囲に集簇しており, これが広基性隆起様の超音波像を呈したものと考えられた. 組織検査では, 粘膜固有層に泡沫細胞(foamycell)が集積しており, 多発性・集簇性のCPと確定診断された.超音波検査によるCPの診断は通常容易であるが, 10mmより大きい場合, 集簇して存在する場合には, 癌との鑑別が時に困難となる. 両者の鑑別にはCT検査が有用と考えられる.

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