土木学会論文集C(地圏工学)
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和文論文
浄水汚泥に含まれる有機物の分解とせん断特性の関係に関する基礎的研究
渡邊 保貴小峯 秀雄村上 哲安原 一哉豊田 和弘
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2013 年 69 巻 1 号 p. 58-69

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抄録

 水道事業から排出される浄水汚泥には多くの有機物が含まれている.浄水汚泥は一般的な土とは異なる生成過程を経て排出されるため,有機物の組成や分解特性に関して未知の部分が多く,地盤材料として有効利用する上で,工学的性質に及ぼす有機物の分解に関する経験的な解釈が通用するとは限らない.本研究では,浄水汚泥に含まれる有機物の組成および好気環境下における分解特性を明らかにすると共に,有機物分解後の浄水汚泥の三軸せん断特性を調査した.浄水汚泥にはフミン酸が多く含まれており,フミン酸の約44%は約6ヵ月間で好気分解されることを明らかにした.また,浄水汚泥の有機物が約1.38%分解されることにより,内部摩擦角は39.7°~40.4°の範囲から37.9°付近まで減少することを示した.

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© 2013 公益社団法人 土木学会
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