2002 年 75 巻 11 号 p. 513-518
界面活性剤混合系 (陰イオン性、ドデシル硫酸ナトリウム、SDS;非イオン性、ヘキサオキシエチレンデシルエーテル、C10E6;ヘキサオキシエチレンドデシルエーテル、C12E6) を用いてアルミナ粒子への2一ナフトールの吸着可溶化をしらべた。界面活性剤の吸着ならびに吸着可溶化は非イオン性界面活性剤の濃度を固定し、SDS濃度を変化させて行った。SDS/C10E6とSDS/C12E6の両系において2-ナフトールの吸着可溶化量は非イオン性界面活1生剤の固定濃度の増加とともに増加し、最大を示した後、減少した。2-ナフトールの吸着可溶化量はSDS/C10E6およびSDS/C12E6系はSDS単独系にくらべて大きくなった。さらに、吸着した界面活性剤分子あたりの2-ナフトール分子の割合を吸着可溶化効率として最大吸着可溶化量でくらべるとSDS/C12E6系はSDS/C10E6系より高い吸着可溶化効率となった。この効率の違いは非イオン性界面活性剤の炭化水素鎖長に影響される混合吸着層の性質に寄与することが考えられる。