色材協会誌
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銀, 白金, ならびにパラジウムーデンドリマーナノコンポジットの調製と4-ニトロフェノールの還元に対する触媒活性
江角 邦男礒野 涼子吉村 倫一
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2003 年 76 巻 11 号 p. 421-427

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抄録

金属 (銀, 白金ならびにパラジウム) -デンドリマーナノコンポジットを末端官能基がカルボキシル基またはアミノ基のポリアミドデンドリマー (世代;1.5, 3.0, 3.5, 4.0, 5.0ならびに5.5) を用いて調製した。平均粒子直径は銀粒子で5-7nm, 白金で1-2nm, パラジウムで約2nmとなり, デンドリマーの濃度に依存したが世代の影響は小さかった。とくに, 末端官能基としてカルボキシル基を有するデンドリマーを用いたときに安定な金属-デンドリマーナノコンポジットがより低いデンドリマー濃度で得られた。また, 金属-デンドリマーナノコンポジットは金属粒子表面をデンドリマー分子が被うことにより生成することが示唆された。金属-デンドリマーナノコンポジットによる4-ニトロフェノールの還元反応の速度定数はデンドリマーの世代, 濃度または末端官能基の種類に依存した。三種類の金属-デンドリマーナノコンポジットにおいてパラジウムーデンドリマーナノコンポジットがもっとも高い触媒活性を示した。

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