2003 年 76 巻 12 号 p. 463-468
表面アミノ基を有するポリプロピレンイミンデンドリマー (PPI) (世代2, 3または4) の存在下, UV照射により金ナノ粒子を調製した。紫外可視吸収スペクトル, 動的光散乱法ならびに透過型電子顕微鏡を用いて金-PPIナノコンポジットの生成ならびに構造をしらべた。金イオンの還元はUV照射時間の増加にともない進み, また得られた金ナノ粒子の平均粒子径はデンドリマーの濃度が増えると増加した。金-PPIナノコンポジットの構造はPPI分子が金ナノ粒子に吸着することにより形成されることが示唆された。さらに, 金-PPIナノコンポジットによる4-ニトロフェノールの還元反応における反応定数はPPIデンドリマーの世代ならびに濃度に関係なくほぼ同じであることがわかった。