色材協会誌
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金-PAMAMと金-PPIデンドリマーナノコンポジットの活性酸素消去に対する比較
江角 邦男宝達 寛子吉村 倫一
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2004 年 77 巻 11 号 p. 487-492

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抄録

金-デンドリマーナノコンポジットをポリ (アミドアミン) (PAMAM) デンドリマー (世代3, 3.5, 5, 5.5) およびポリ (プロピレンイミン) (PPI) デンドリマー (世代3, 4) を用いて, HAuCl4とホウ化水素ナトリウムの還元により調製した。金ナノ粒子の平均粒径は, デンドリマーの濃度ならびに世代に依存せず, PAMAMデンドリマーでは直径3.0~4.3nm, PPIデンドリマーでは直径2.1~2.3nmであった。H2O2/FeSO4において, ヒドロキシラジカルの消去における金-デンドリマーナノコンポジットの触媒活性を, スピンートラッピング法を用いて検討した。金-PPIデンドリマーナノコンポジットの触媒活性は, 金-PAMAMデンドリマーナノコンポジットよりもわずかに低かった。さらに, 金-デンドリマーナノコンポジットは高い触媒活性を示し, 世代3.5のPAMAMデンドリマーを除いてデンドリマーの濃度ならびに世代にはほとんど影響を受けなかった。金と世代3.5のPAMAMデンドリマーナノコンポジットのもっとも高い活性はアスコルビン酸の85倍であった。

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