色材協会誌
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デンドリマー存在下で調製した炭酸カルシウム結晶の形態変化
江角 邦男田上 恭子吉村 倫一
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2005 年 78 巻 6 号 p. 254-259

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抄録

塩化カルシウム, 尿素, およびカルボキシル末端基をもつポリアミドアミン (PAMAM) デンドリマー (世代 1.5, 3.5, 5.5) を含む水溶液を用いて, 炭酸カルシウム結晶を90℃で調製した。デンドリマー非存在下では, 針状のアラゴナイト型結晶が生成したが, デンドリマー存在下では, デンドリマーの濃度の増加とともに球状のバテライト型結晶へ形態が変化した。 もう1つの調製方法として, 塩化カルシウム, 尿素, 酵素ウレアーゼ, およびデンドリマーを含む溶液から, 炭酸カルシウム結晶を25℃で調製した。溶液の透過率や粉末 X 線回折結果から, デンドリマー非存在下ではカルサイト型結晶のみが生成するのに対し, デンドリマー存在下ではバテライト型結晶が生成し, 時間とともにカルサイト型結晶へ形態が変化することが明らかとなった。

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