色材協会誌
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貴金属 (金, 白金)
生体高分子ナノコンポジットの活性酸素消去活性 (第2報)
秋山 慎太郎吉村 倫一鳥越 幹二郎江角 邦男
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2005 年 78 巻 9 号 p. 409-416

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抄録

白金-生体高分子ナノコンポジットをフコイダン, アルギン酸, ヒアルロン酸ナトリウムを用いて調製した。白金-フコイダンナノコンポジットでは平均粒径は3.1-2.6nmとなり, フコイダン濃度の減少とともに小さくなった。白金-ヒアルロン酸ナトリウムナノコンポジットでは平均粒径は3.4-3.8nmとなり, ヒアルロン酸ナトリウム濃度の減少とともに大きくなった。白金-アルギン酸では平均粒径は3.2-3.4nmとなり, 生体高分子の濃度の影響は小さかった。白金-生体高分子ナノコンポジットのヒドロキシルラジカルの消去活性は, 生体高分子の種類と濃度に依存した。消去活性は, アルギン酸>ヒアルロン酸ナトリウム>フコイダンの順に大きく, また, 生体高分子の濃度が減少すると大きくなることが明らかになった。さらに, 白金-生体高分子ナノコンポジットは金-生体高分子ナノコンポジットに比べて高い消去活性能を示した。とくに, 白金-アルギン酸ナノコンポジットは代表的な抗酸化物質であるアスコルビン酸の約110倍も大きな活性を示すことがわかった。

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