分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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インチューブマイクロプラズマトーチを備えた原子発光検出器の試作とガスクロマトグラフィーにおける含硫黄及び含リン有機化合物の検出
中釜 達朗篠原 謙輔内山 新士角川 淳曽 湖烈中嶋 秀内山 一美
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2013 年 62 巻 3 号 p. 199-206

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抄録

ヘリウムラジオ波プラズマ(RFP)を用いたインチューブマイクロプラズマトーチ(in-tube MPT)内蔵のガスクロマトグラフィー(GC)用原子発光検出器(AED)を試作した.in-tube MPTは白金製接地電極管(内径0.3 mm,外径0.5 mm)を白金製高圧RF側電極管(内径0.8 mm,外径1.0 mm)に0.5 mm挿入して作製した.光ファイバー先端を高圧側電極内に挿入,固定し,後端を小型CCD分光器に接続した.接地電極にはメークアップガス,キャリヤーガス及び測定対象物質蒸気の混合ガスを導入するためのGC用石英キャピラリーを接続した.試作したAEDは市販のGCに搭載して測定に供した.含硫黄化合物としてチオアニソールを用い,測定波長921.3 nm,印加電力2 W,印加周波数230 kHz及びメークアップガス流量14 mL min-1でGC-AED測定を行ったとき,ブランク測定の標準偏差(σ)と検量線の傾き(a)から求めた硫黄の検出下限(D=3.3 σ/a)は4 pg s-1と推算された.含リン化合物としてリン酸トリエチルを用いた場合,測定波長253.4 nm,印加電力3 W,印加周波数230 kHz,メークアップガス流量12 mL min-1のとき,同様の推算方法により求めたリンの検出下限は22 pg s-1であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2013
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