日本海水学会誌
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コンクリート受熱板による太陽熱海水淡水化装置の開発
久留美 慶晃村瀬 和典中村 正秋外山 茂樹
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1996 年 50 巻 1 号 p. 13-17

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抄録

太陽熱吸収板としてコンクリートを用い, ポーラスシートと平行細線溝を海水蒸発面に応用した液膜蒸発式屋根型海水淡水化装置を試作し, 性能評価と操作条件に関して以下のようなことがわかった.
1. 供給液流量は, シートの飽和液流量から15kg・h-1・m-1までの流量域で淡水生産量に著しく影響を及ぼしたが, 15kg・h-1・m-1を越えると影響は小さくなった.
2. シート蒸発表面積がメニスカス表面積より大きいとき, 淡水生産量が急激に増加した.
3. シート内が不飽和液分布となる流量域では, 蒸発面のドライアウトやスケール発生のおそれがあるため, 供給液流量の最適な操作範囲は, FsからFuまでの範囲がのぞましい.

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