2013 年 86 巻 3 号 p. 106-113
化学修飾した固体表面や薄膜は,機能性発現に最も深くかかわる材料化学の最前線である。機能を分子の一次構造と関連付けて理解するためには,分子の集合構造を詳しく知る必要がある。分子集合系の結晶化度にかかわらず,集合構造を理解するには,官能基単位での分子配向が評価できるとよく,赤外MAIRS法という分光法が威力を発揮する。この考え方は,双極子の配列と相互作用という視点で金属微粒子薄膜の解析にも拡張でき,可視MAIRS法により解析すると,局在プラズモン吸収による発色メカニズムを詳しく検討することもできる。