耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
前庭・蝸牛周囲の緻密骨中に骨透亮像を呈した混合難聴合併exomphalosmacroglossia-gigantism (EMG)症候群の1例
福山 祐子福島 邦博片岡 祐子假谷 伸西崎 和則
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 52 巻 6 号 p. 338-341

詳細
抄録

Beckwith-Wiedemann症候群は脇ヘルニア (exomphalos) 、巨舌 (macroglossia) 、巨人症 (gigantism) を三主徴とする遺伝性疾患であり (以下EMG症候群) 、まれに伝音難聴を伴うことが報告されている。今回、EMG症候群に合併した混合性難聴の1例を経験したので報告する。症例は9歳女児、軽度の難聴を指摘され、当院紹介となった。純音聴力検査の結果では両側の軽度混合性難聴を認め、画像所見では前庭・蝸牛周囲の緻密骨中に骨透亮像を認めた。既報では、手術時にアブミ骨固着による難聴であることが確認されているが、EMG症候群の側頭骨画像は、今回はじめて報告する。これらの所見からも、本症例は耳硬化症と類似する病態が存在すると考えられた。

著者関連情報
© 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top