日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
ダブルバルーン小腸内視鏡で虫体を摘出し得た小腸アニサキス症の1例
天野 美緒福本 晃山雄 健太郎今川 宏樹橋本 義政飯星 知博小野川 靖二平野 巨通花田 敬士米原 修治
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2013 年 55 巻 5 号 p. 1643-1649

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抄録

症例は52歳,男性.しめ鯖を摂取した翌日より間欠的腹痛が出現した.腹部超音波検査および腹部造影CTにて回腸の一部に壁肥厚と腹水を認めた.小腸アニサキス症を強く疑い,経肛門的にダブルバルーン小腸内視鏡検査(DBE)を施行したところ,回腸に浮腫状粘膜を認め,アニサキス虫体の粘膜への刺入を認めた.生検鉗子を用いて摘出し,以後症状は速やかに改善した.本症は,保存的加療のみでは稀ではあるが腸重積症等を引き起こし緊急手術となる場合もあるため,可能であればDBEなどによる診断と治療を行うことが重要と考えられた.

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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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