園芸学研究
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発育制御
ブルーベリー果実の発育におけるIAA,ABA濃度およびエチレン生成量の変化
後藤 領太渡邉 学村上 政伸佐川 了小森 貞男壽松木 章
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2013 年 12 巻 2 号 p. 165-171

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抄録

ブルーベリー果実の発育における植物生長調節物質の役割を明らかにするために,ハイブッシュブルーベリー‘バークレー’を用いて果実の結実後~成熟までのIAA,ABA濃度とエチレン生成量を調査した.また,ハイブッシュブルーベリー‘アーリーブルー’,‘バークレー’と‘ジャージー’を用いて果実の着色ステージごとのABA濃度およびエチレン生成量を調査した.IAA濃度は種子径が増大する時期に急増した.成熟期では,ABA濃度とエチレン生成量はほぼ同様の変化を示し,エチレン生成量が最大となる時期は,ABA濃度や呼吸活性が最大になる時期とほぼ同等か,早めとなることが明らかになった.品種別にみると,‘アーリーブルー’および‘バークレー’ではエチレン生成量とABA濃度はほぼ同時に増加し,‘ジャージー’ではエチレン生成量がABA濃度より早く増加した.また,ABA濃度と呼吸活性でそれぞれが最大となる着色ステージの早晩は,品種により異なっていた.成熟期におけるABA濃度と果実の着色程度の変化については,品種ごとに進み方が異なっていたが,ABA濃度の変化は可溶性固形物含量と果実硬度の変化と同時に進むことが明らかになった.

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© 2013 園芸学会
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