日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
原著
大腸癌抗体療法におけるoncology emergency
山田 岳史内田 英二菅 隼人松本 智司金沢 義一小泉 岐博横井 公良
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キーワード: 大腸癌
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2013 年 33 巻 4 号 p. 677-682

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抄録

要旨:Bevacizumabはvascular endothelial growth factor(VEGF)に対する抗体であり,5-fluorouracil(5-FU)をベースにした化学療法に追加することで有意に生存期間を延長する。Bevacizumabは多くの症例においては比較的軽微な有害事象をきたすのみであり,使用しやすい薬剤である。しかし,一方では頻度は低いが,生命に直結する有害事象を生じるため注意が必要である。特に消化管穿孔と脳血管障害は速やかな対処が必要であり,つねに念頭におく必要がある。最も注意すべき有害事象は穿孔,膿瘍,瘻孔を含むgastro intestinal perforation events(GIP events)と脳血管障害であり,GIP eventsは2.2%,脳血管障害は3.2%に発症した。また,GIP eventsは投与開始後2コースと早期に,脳血管障害は5─10コースと晩期に発症した。

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© 2013 日本腹部救急医学会
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