日本緑化工学会誌
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論文
福島第一原発事故後の丘陵地林縁部法面における放射性物質移動防止試験
小林 達明木村 絵里飯塚 和弘山本 理恵鈴木 弘行星澤 保弘小竹守 敏彦関崎 益夫谷口 伸二
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2013 年 39 巻 1 号 p. 92-97

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抄録

福島県川俣町山木屋地区の丘陵地落葉広葉樹林林縁法面において,放射性物質の移動防止試験を2012 年6 月~11 月に行った。植生とリターを取り除き,浸食防止工法等を組み合わせた6 つの除染処理区を設定した。処理区では,当初,放射性物質が次第に減少したが,植生の発達によって減少が止まった。4 か月半の間に,処理区面積あたり1.5-8.6 kBq/m2 の放射性セシウムの下方移動が観察された。放射性物質はリターと土砂の形で大部分が下方移動し,その阻止には柵と不織布シートの組み合わせが効果的だった。

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