日本臨床細胞学会雑誌
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原著
EGFR 遺伝子変異解析用の細胞診検体保存におけるPreservCyt® Solution の有用性
城戸 貴之白波瀬 浩幸平田 勝啓白井 孝夫古畑 彩子辻 眞里子南口 早智子三上 芳喜羽賀 博典中泉 明彦
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2013 年 52 巻 5 号 p. 411-414

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抄録

目的 : 上皮成長因子受容体 (EGFR) の遺伝子変異を伴う非小細胞肺癌に EGFR-TKI による分子標的治療が有効であり, 治療方針決定には EGFR 遺伝子変異検査が不可欠である. 組織採取が困難な場合, 細胞診検体を用いて確定診断とともに EGFR 遺伝子変異検査を行うが, 細胞診検体の保存方法に関する報告はない. 本研究では EGFR 遺伝子変異解析に供する細胞診検体の保存方法を比較検討した.
方法 : 京都大学医学部附属病院で非小細胞肺癌と診断された症例 24 例 (気管支洗浄液 20 例, 胸水 4 例) を対象とした. 採取した検体はそれぞれ細胞診断用, PreservCyt® Solution (以下 PC 液) による室温保存用, 凍結保存用 (−80°C) の 3 検体に等分した. 遺伝子解析は三菱化学メディエンス社にて PNA-LNA PCR CLAMP 法により行った.
成績 : 凍結保存法と PC 液保存法の EGFR 遺伝子変異陽性率はそれぞれ 50% (12/24), 54% (13/24) で, 1 例のみ 2 つの方法間で乖離を認め, 一致率は 96%と良好だった.
結論 : PC 液を用いた LBC 実施後の残検体は, そのまま EGFR 遺伝子変異検査に使えるため, 円滑な治療方針決定に有用である.

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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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