抄録
摂取するビタミンC(VC)が酸化ストレス防御系などへおよぼす影響について検討した.対象は VCノックアウトマウス(SMP30/GNL,雄)33 匹を無作為に,VC 100 Group: 1.5 g/L VC 摂取,VC 2.5 Group: 0.0375 g/L VC 摂取,VC 0 Group: 0 g/L VC 摂取の 3 群に区分した.酸化ストレス防御系は d-ROM test と BAP test を測定し,BAP/d-ROM 比を算出した.測定は研究開始時(週齢 5 週:Baseline)と VC 摂取 9 週間(週齢 14 週:9 wk)の時点とした.また,血漿 VC 濃度は 9 wk の時点で還元型(アスコルビン酸:AA)と酸化型(デヒドロアスコルビン酸:DHA)を測定し,総 VC(AA + DHA: Total)濃度を算出した.9 wk において 3 群間を比較すると,VC 100 Group はd-ROM test が有意な低値,BAP/d-ROM 比が有意な高値,BAP test が有意差なし,老化度評点が有意な低値を認めた.Total 濃度において VC 100 Group は,他の群と比較して有意な高値を認めた.摂取する VC の違いは,d-ROM test や BAP/d-ROM 比,および血漿 VC 濃度に変化をおよぼすことが明らかとなった.