日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
肥満・生活習慣病と大腸癌
遠藤 宏樹日暮 琢磨高橋 宏和中島 淳
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2013 年 55 巻 12 号 p. 3735-3744

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抄録
大腸癌は近年欧米諸国のみならず本邦でも急激に増加してきており,本疾患が国民生活にあたえる影響はきわめて高く,その対策・予防は急務である.大腸癌の発生に関して,運動不足や欧米型の食事摂取に伴う肥満を背景とした生活習慣が癌のリスクを押し上げるとする疫学研究が数多く報告されてきている.さらに最近では肥満,特に内臓脂肪蓄積の結果起こる異常として,脂肪細胞から分泌される生理活性物質アディポサイトカインの分泌異常が注目されている.アディポネクチンやレプチンが腫瘍発生や増大に関与することが疫学研究や分子レベルの研究で明らかにされ,肥満による大腸発癌促進機序が解明されつつある.また近年,化学発癌予防に関する研究が進んでおり,安全かつ効果的な薬剤の同定が望まれる.
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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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