日本輸血細胞治療学会誌
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原著
新しい全自動型血液成分分離装置Spectra Optia®を用いた末梢血幹細胞採取―COBE Spectra®と比較して―
藤井 敬子藤井 伸治淺田 騰西森 久和狩山 由貴池田 亮浅野 尚美小郷 博昭岩月 啓氏
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2013 年 59 巻 6 号 p. 799-804

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抄録

Spectra Optia®は,COBE Spectra®に代わる次世代機であり,自動インターフェイス管理(AIM)システムを採用し全自動的にアフェレーシスを行うことができる.主に臨床使用経験が積まれていた欧州に対し,わが国では2011年7月に認可され今後の使用実績が期待される.
今回,末梢血幹細胞採取におけるSpectra Optia®(Optia)とCOBE Spectra®(COBE)の比較を目的として,当院におけるOptia導入前後での末梢血幹細胞採取73件について,機器別採取結果を後方視的に検討した.採取回数はOptia群24回(自家15回,同種9回),COBE群49回(自家36回,同種13回),処理血液量は自家で患者体重(kg)当たり150ml,同種はドナー体重(kg)当たり200mlとした.
単核球回収率は両機種間で有意差はなかったが,採取産物容量,赤血球混入量はOptia群で有意に少なかった.また同種のみで比較した場合,Optia群では採取産物中の血小板混入数が有意に少なかった.副作用面でも重篤なものはなく,血漿成分が過剰に採取されない簡便な全自動型血液成分分離装置としてOptiaは期待できるものと考えられた.

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© 2013 日本輸血・細胞治療学会
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