日本生気象学会雑誌
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頸髄損傷者の住宅温熱環境の実態調査
三上 功生蜂巣 浩生
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2014 年 50 巻 4 号 p. 175-187

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抄録

ほぼ全身に及ぶ発汗障害などの重篤な体温調節障害を持つ頸髄損傷者が住んでいる住宅の温熱環境の実態を把握することを目的として,東京都と埼玉県の 4 戸の住宅(木造戸建て住宅 2 戸,集合住宅 2 戸)を対象として調査を行った.その結果,夏季調査では,在室時間が長い寝室と居間の温度がエアコンの設定温度よりも高く推移している傾向にあり,その原因としてエアコンの能力不足,外壁や屋根内部の断熱材の非設置が推測された.また,高温のトイレで長時間の排便を行っていた.冬季調査では,寝室と居間の上下温度差が大きい傾向にあり,足下付近の温度が低い傾向にあった.本調査結果より,頸髄損傷者は重篤な体温調節障害を持ちながらも,必ずしも良好な住宅温熱環境下で生活しているわけではないことが明らかとなった.今後,早急に住宅温熱環境の整備方法を確立する必要がある.

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© 2014 日本生気象学会
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