セメント・コンクリート論文集
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コンクリートの試験・評価
凍結融解損傷が進行したコンクリートの材質評価
鈴木 哲也緒方 英彦高田 龍一佐藤 周之
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2009 年 63 巻 1 号 p. 204-211

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抄録

コンクリート構造物の詳細調査ではコア供試体を採取し、物性評価が行われる。本論では、凍害の進行したコンクリート開水路より採取したコンクリート・コアを対象にX線CT法を用いたクラック構造の可視化と弾性波法による速度場の評価を組み合わせ、凍害の進行が物性値へ及ぼす影響を検証した。クラック構造は、X線CT法により1.0mm間隔で評価した。X線CT計測を行った後に、弾性波法による物性値評価を試みた。検討の結果、クラック構造の発達したコンクリート・コアでは、CT値の低下と弾性波速度の減少が局部的に確認された。これらの評価値は、コンクリート内部に発達したクラック構造に強く影響され、その定量的評価には弾性波法やX線CT法が有効であることが示唆された。

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