本研究では、鉄筋の腐食状態を精度良く把握するために、凍結防止剤と雨水の影響を受ける構造物の環境を考慮した実験を行った。まず、W/C、かぶりおよび塩化ナトリウムの混入量が異なる15×15×40cmの供試体を作製して塩水と水の散布を繰り返し、塩化物イオン濃度の拡散予測、自然電位および腐食面積率を材齢385日と693日に測定した。そして、塩化物イオン濃度、自然電位、腐食面積率のそれぞれの関係から、塩化物イオン濃度が5kg/m3を超え、自然電位が-450mV vs. CSE, 25℃よりも卑になると、腐食面積率が5%以上となる傾向が得られ、塩化物イオン濃度と自然電位から鉄筋の腐食状態の傾向が明らかになった。