近年のリモートセンシングデータは数cmオーダーの空間分解能で、地表面を捉えることが出来る。この時、ピクセルの集合を基礎単位とするオブジェクトベース画像分類が有効である。本論では、デジタル空中写真から樹種分類を試みた。この時、空間分解能を50cm、1m、2.5m、5mと変化させることで、樹種分類におけるオブジェクトベース画像分類に対し、有効な特徴量を明らかにする事を目的とした。樹種分類は、ブナ、ナラ類、イタヤカエデの3クラスについて行う。本論ではオブジェクトの基礎統計量とテクスチャ特徴量を使用して分類を実行した。分類には集団学習法の一種であるRandom Forestを採用した。これは、決定木ベースのアルゴリズムであり、サブサンプルに対し別個の決定木を作成し、予測を行う。本論では、空間分解能ごとの樹種分類に寄与する特徴量の重要性を算出した。また、各分類クラスと特徴量との反応曲線を調べた。その後、テストサンプルを用いて精度検証を行った。サンプルは、現地調査で写真上の樹種を同定した結果に基づいて選択した。以上の結果を用いて、空間分解能の変化に対する樹種分類の反応について取りまとめた。