日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: P1-132
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造林
間伐方法のことなるスギ樹冠の表面形状と光環境のシミュレーション
*川崎 達郎齊藤 哲梶本 卓也韓 慶民右田 千春壁谷 大介
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抄録

施業に伴う森林の葉群分布と光環境の変化が推定できれば、陽樹冠の量的変化から着花量予想につなげられる可能性がある。花粉症対策のスギ雄花着花量のモニタリング試験地において、個体別に樹冠の光条件の分布を推定し、雄花着花傾度との適合を検証した。 千葉県富津市桜井総稱鬼泪山の北面谷筋のスギ人工林に40m ×40m の試験区を3個設置し、毎木調査と林木位置から、試験林分全個体分の円錐形の樹冠モデルを生成し、個体ごとの開空度の頻度を求めた。間伐方法が着花量に与える影響を検証するため、2009年に3試験区にはそれぞれ多雄花個体優先間伐、通常間伐、無間伐の3種の間伐を行った。2008年から4年間、開花直前の冬季に双眼鏡観察し、「着花なし」から「樹冠全体に高密度に着花」までの5段階の傾度を記録した。 間伐直後の2009年の3試験区の平均樹高は約17mで、林分密度は多雄花木優先間伐区418本/ha 、通常間伐区393本/ha、無間伐区668本/haである。モデル樹冠で判断して明るい樹冠は通常間伐区に多かった。樹勢の優れた多雄花が多く残されためと考えられる。

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© 2013 日本森林学会
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