地盤工学における力学試験において,しばしば粒子寸法が結果に大きな影響を与えるということが指摘されている.これは,いわゆる粒子径効果と呼ばれる現象である.この粒子径効果は,試料のせん断時に生じる体積変化の特性や,透水特性などにおいて顕著にみられるものとして知られている.また,杭の押し込み・引き抜き試験において地盤内部に生じるせん断帯の形成に関しても,この粒子径効果による影響を受けるということがわかっている.そこで,杭周面の地盤状態を把握するため,周面を模擬した面と,乾燥状態の試料により作成した供試体とを用いてせん断試験を行い,試料の粒径の違いによってどのような影響が起こりうるかを検討した