抄録
大地震時における群杭の挙動を明らかにする第1段階の検討として、遠心力場で単杭および群杭の静的水平載荷実験を行い、群杭効果に関する基礎的なデータを得た。この実験では、直径30cm、長さ10mの鋼管杭で杭間隔が杭径の3倍での群杭の原位置実大実験(米国ソールトレークシティーで実施)を対象に、縮尺1/20の模型を用いて、地表面変位が杭径の3割に達するまで載荷した。この結果、杭一本当たりの同一荷重に対して、群杭では単杭の1.6~1.7倍の変位が発生し、前方、中間、後方杭の順に最大曲げモーメントの発生位置が下がった。この結果と原位置実大実験結果とは、地盤条件の相違を考慮すれば、概ね整合性が見られる結果となった。