本研究は,沖積粘土の一種であり,日本の沿岸域に分布する海成粘土の圧密とその影響を定量的な評価手法の開発を目的としている。佐賀平野に分布する有明粘土は塩分濃度変化により圧密特性が変化する海成粘土である。海成粘土中の塩分濃度変化の原因である塩分溶脱は地下水の揚水が原因であるという仮説が立てられたが,その仮説を証明する手法が無いというのが実状であった。本研究では,海成粘土の圧密と海成粘土に含まれる塩分濃度変化の影響を評価するためには,移流分散解析と圧密計算を連成問題として取り扱い,今まで明らかにされなかった海成粘土の圧密と塩分溶脱および帯水層の塩水化の機構について提言し得る有用な手法の開発を行った。