面源負荷の発生機構に迫るため,多周波数電磁探査法を使って電気伝導度分布を計測し,土壌環境の特徴抽出から森林・畑地・水田といった土地利用の違い,さらに伝導度の鉛直プロファイルと河川の汚濁負荷量との関係を明らかにし,汚濁負荷量の推定を試みた.47970,24510,7950,3870,2310Hzを使用して電磁探査を行うと,地表近くの伝導度に土地利用毎の違いがあった.施肥の影響を検出したと考えられ,土地利用の違いが地表面付近の伝導度分布に明確に現れることが分かった.また,水質項目の電気伝導度と電磁探査の結果には,47970と24510Hzについて有意な線形相関があった.決定係数は0.882,0.858となり,水質の電気伝導度の大部分が地表付近のデータから説明できることが分かった.本手法は河川水の採水を必要とせずに面源負荷の影響を調査することが可能で,非破壊検査が行えるため,一般の土壌調査に比べて非常に迅速で,広範囲の調査に優位である.