富山県東部に位置する黒部川扇状地では古来より多用な地下水利用がされてきた.農業用水や工業用水のみならず,家庭用水として積極的に利用されている.しかしながら,著者の研究によって,黒部川扇状地では最近30年間において地下水位が漸減していることがわかっている.この現象が最近30年の間に発生したのか,さらに長い期間においても続いているのかを明らかにするため,自噴井の分布や水位に着目して,歴史的な地下水位の変動の解明を試みている.本稿では,昨年度より開始した自噴井の調査結果を基に,自噴井の水量と水質の季節変化特性について報告する.