水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2013年度研究発表会
セッションID: 1
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【降水,降雪・融雪,雪氷1】9月25日(水)9:30~11:00
レーダー雨量から見た瀬戸内地域の確率洪水比流量曲線
*近森 秀高永井 明博増田 直也
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抄録

空間解像度が高く対象地域内における全ての観測値の記録長が等しいレーダー雨量計データを利用し,岡山県の高梁川,旭川,吉井川の各河川流域を対象地域として,これらの対象地域内のさまざまな面積の流域における最大比流量を推定する洪水比流量曲線を求めるとともに,各地域における面積雨量に極値統計解析を適用し,流域面積から確率洪水比流量を推定する手法について論じた。まず,高梁川流域,旭川流域および吉井川流域の3個の対象地域それぞれにおけるレーダー雨量計データからDAD関係を求め,これに角屋・永井による洪水比流量曲線式を適用して,流域面積から最大比流量を推定する式を求めている。その結果,各対象地域で求められた推定式を表す曲線は,対象地域内およびその周辺における既往最大比流量を概ね包絡することが確認された。次に,レーダー雨量計データから得られる各対象地域における年最大面積雨量に一般化極値分布を当てはめて確率面積雨量のDAD関係を求め,これに角屋・永井の洪水比流量曲線式を適用して確率洪水比流量曲線を推定している。その結果,求められた100年および200年確率の洪水比流量曲線は,既往最大流量をほぼ包絡することが確認された。  また,これらの洪水比流量曲線は,いずれも小流域において既往最大値に比べて洪水比流量を過大に推定する傾向が見られたが,これは,検討対象流域と同じ面積の流域を対象地域から無作為に選んだときに検討対象流域自体が選ばれる確率が小面積であるほど低くなることを考慮すれば説明できることを示した。

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© 2013 水文・水資源学会
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