日本毒性学会学術年会
第39回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-126
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パーフルオロドデカン酸の反復経口投与毒性・生殖発生毒性併合試験
*平田 睦子藤井 咲子古川 正敏高橋 美加川村 智子松本 真理子加藤 日奈小野 敦広瀬 明彦
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抄録

パーフルオロドデカン酸 (PFDdA)の毒性を明らかにするために、OECDテストガイドライン422に従って、反復投与毒性・生殖毒性併合試験を行った。雌雄のCrl:CD(SD)ラットに、0.1、0.5もしくは2.5 mg/kg bw/dayのPFDdAを毎日強制経口投与し、14日後から交配させた。雄動物は、交配期間を通して計42日間、雌動物は交配及び妊娠期間を通して、分娩後5日まで投与を続けた。その結果、2.5 mg/kg bw投与群では、雄では投与21日から投与終了時まで、雌では妊娠及び哺育期間を通して体重が低値を示した。血液生化学検査の結果、0.5 mg/kg bw以上の投与群で、総タンパク、アルブミン及びグルコースの低下、ALP、総ビリルビン及びBUNの増加などが認められた。0.5 mg/kg bw以上の投与群では、相対肝重量が高値を示し、病理組織学検査の結果、2.5 mg/kg bw投与群の肝臓に肝細胞肥大や壊死などが観察された。さらに、2.5 mg/kg bw投与群では、膵臓のチモーゲン顆粒の減少、骨髄の造血低下の他、脾臓、胸腺及び副腎の萎縮が認められた。生殖・発生への影響としては、2.5 mg/kg bw投与群では、12例中7例が妊娠後期に死亡もしくは瀕死状態となり、さらに、生存児を出産しなかった雌が4例みられた。交配させずに2.5 mg/kg bw/dayのPFDdAを42日間投与したサテライト群では、雌5例全例に性周期の異常が認められた。さらに、2.5 mg/kg bw投与群の雄では、生殖器官に様々な病理組織学的変化が観察されたが、交配率及び受胎能への影響は見られなかった。これらの結果から、PFDdAの反復投与毒性及び生殖発生毒性に関する無毒性量は、それぞれ0.1 mg/kg bw/day及び0.5 mg/kg bw/dayと結論された。

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© 2012 日本毒性学会
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